ゆめのブログ

30代女の独身生活ブログ

スポンサーリンク

日医工、業務停止へ。謝罪と在庫不足の日々。


スポンサーリンク

困ったことになっています。

大手ジェネリック医薬品メーカーの日医工は不適切な製造が発覚し、業務停止命令を受けました。

f:id:yume-diver:20210316235029j:plain

 

 

大企業の失態

日医工株式会社は、医療用医薬品のなかでも

ジェネリック医薬品の製造販売を行う企業です。

日医工株式会社(以下:日医工)の市場シェアは大きく、多くの患者さんの手に渡っていた(いる)のです。

 

何をした?

同社は2020年4月から21年1月にかけ、

国の承認を得ていない工程があったなどとして、

富山第一工場で生産する75品目の医薬品を自主回収した。

日本経済新聞より

 

 法律を遵守せずに薬を製造し、出荷していたのです。そして、業務停止処分を受けました。

日医工が出荷した不適合薬品は、

飲んだ後、間違いなく体の中で溶けるのか?

不純物は入っていないのか?

...保証はできません

 

申し訳ない気持ち

 

もうこれは、心から患者さんに謝罪するしかありません。

手渡すお薬の品質を保証できないのです。

心から申し訳なく思っています。

私の薬局では、ニュースになる直前、日医工製品をすべて返品し他メーカーさんの製品を入荷しております。

ただ、その前にすでに渡してしまったお薬があるはずです。そのような場合には、他メーカーさんのお薬へ変更を受け付けております。

 

供給が不安定

しかし!

他メーカーさんの製品にも在庫の不足も発生しています。

日医工以外の製薬メーカーさんへの受注が流れ、

供給が安定していません

つまり、ジェネリック医薬品全体の流通が滞り気味なのです。

時間を使って薬局へ来たにも関わらず、

「在庫が不足しています」なんて、どういうことでしょう?

薬屋なのに、薬がないなんて…申し訳ない限りです。

後日、ご自宅へお届けさせて頂いております。

 

小林化工の件も重なり、かなり厳しい状況ではありますが、他店舗と連携しながら、在庫を確保しております。在庫不足の問題は、なんとか解決しています。

 

手元に【日医工製品】があったら...

 

日医工製品のすべてが、粗雑な管理の元で作られた、というとこではありません。

あくまでも、一部の工場での不正です(今のところ)。

 

しかし、体に入れるお薬ですから不安な気持ちもお持ちかと思います。

その思いを優先すべきかと思います。先発品に変えることも可能です。

そのままにせず、調剤してもらった薬局で相談をしてみてください。

 

今はどうなの?

各薬局とも、にわかに日医工の不穏な様子は感じていました。

他メーカーさんも積極的に情報提供してくださり、

早急に対策を立てられました。

私の仲間たちも、先手を打って日医工製品から撤退しているようです。

在庫不足の問題も数日で解消しております。

 

おそらく、新たに日医工製品を入荷しようと思う薬局は少ないでしょう。

今後は問題ないかと思いますが、

以前にもらったお薬が日医工製品だった場合には、

是非、かかりつけの薬局さんへご相談いただくことをオススメします。

 

ジェネリックメーカー全体への信頼

 

国は医療費削減を政策に掲げ、

一心不乱にジェネリック医薬品の普及を進めてきました。

その結果、急激に市場が拡大し、生産ラインの増設や人員確保が難しくなったため、

このような事態が起きた、というのが日医工からのコメントでした。

 

確かに、納得できる部分はあります。

ただ、今回の件でジェネリック医薬品に対する

「安かろう、悪かろう」のイメージがまた戻ってきてしまったように感じます。

 

薬を育てるのも薬剤師の仕事

 

今後はさらに、メーカーの企業努力に期待しつつ、

我々薬剤師も、患者さんの意見をメーカーへフィードバックし、さらに安全なジェネリック医薬品市場を育てていかなければなりません。

患者さんの意見をメーカーに反映するのも薬剤師の責務です。

 

ジェネリック医薬品は、決して「安かろう、悪かろう」のお薬ではないのです。

添加物、有効成分、錠剤に印字されている文字のインクまで先発品と同じように製造しているハイクオリティな後発品も存在するのです。

このようなジェネリック医薬品オーソライズジェネリック(通称AG)、と言います。

このAGを採用している薬局は多いです。AGであれば、ジェネリックにしても良いと考えている薬剤師もいます。

※薬剤師の中でもジェネリック非推進派はいます。

 

私としては、ここでジェネリック医薬品への期待を捨てることなく、安心・安全なジェネリック医薬品の市場を育てていく責務を感じております。

医療費は一生おつきあいする、人生において欠かせない費用です。

低価格で高品質なお薬を提供するのも薬剤師のお仕事だと考えております。

 

是非、遠慮せずに、

ジェネリックってなに?

危なくないの?

どのくらい安くなるの?

私は変えたい(または変えたくない)、などなど

積極的に薬剤師に意見をぶつけてみて欲しいと思います。