優しい音楽 瀬尾まい子著。ちょっとヘンテコな登場人物たちに愛着が湧くお話。
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こんばんわ。昨晩読み終えた本、【優しい音楽・瀬尾まい子著】の感想です。
本書は3話のショートストーリーが書かれています。
その中でも、【タイムラグ】のお話について。
- この設定はつらいよ…
- 瀬尾まい子さんの手にかかれば、辛い設定もほっこりな結末
【タイムラグ】
このお話は、本書の2つめのストーリー。
主人公の不倫相手の娘さんを預かることになった主人公・深雪。
不倫相手の平太は奥さんと旅行に出かけるために、愛人に自分の娘を預けるのです。
🐣は?無理、無理なんですけど。絶対、受け入れられなーい!
このお話を読み始めた時、こんな無茶苦茶な設定を受けいれられず、
一回、寝ましたね。
🐣瀬尾さん…いかん。それは受け入れられないよ…
一晩明けて、冷静に考え直しました。
🐣「そしてバトンは渡された」の実績がある瀬尾さんのことだ…辛いドロドロな話ではないかも知れない。
🐣絶対無理、その子に辛く当たってしまうかもしれない…
この、気持ちの間で揺れ動く中、そーっと先を読み進めていきました。
結果、さすが瀬尾さんです~!
【ドロドロの不倫劇】や【不倫相手の娘への復讐】というような安易な結末ではなく、
きちんと、スッキリとした清々しい優しい気持ちにさせてくれました。
自分の思考の単純さ加減に愕然とします…
ドロドロの不倫劇を予想しながらも、
心のどこかで、そうならないことを願いながら、
一気に読み終えました。
怖がらずに、最後までお読みいただくことをお勧めします。
大丈夫。しっかり「カッコイイ女性の姿」が描かれています。
【不倫を清々しく描く瀬尾さんのワザに感激】
私は【不倫】の話が大の苦手。
不倫は何がどうあろうと、絶対に許されないし、共感もできない。
どの立場になっても、「辛い」だけ。
不倫は文化ではないんです。
そう思っていた私は、このショートストーリーを始め3行でアレルギー反応が出ましたね。
そんな非倫理的な設定の中でも、
瀬尾さんは
子どもの純粋な心を同時に描き、
不倫だと自覚している冷静な女性の心情を描き、
不倫女性が本妻を味方する潔さ良ささえも描き、
私の不倫話アレルギーを吹っ飛ばしてくれました。
私にとって「そしてバトンは~」を書かれた瀬尾さんのイメージが
「青春一色」だったので、
その瀬尾さんが不倫を綴るとは思ってもみませんでした。
この結末に、心から救われました…ホッ。
瀬尾さんだから、不倫話も最後まで読みましたが。
今後も不倫話だけは手を出せないですね…
読書で心が重くなるのは、避けたいから。
【最後に】
他の2話も清々しい優しさにあふれるお話でした。
ぜひ、最初の2ページで「無理!」と言わずに、最後まで読んでみて下さい。
最後には、そんなことすっかり忘れさせてくれる結末が待っていますから…