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宝塚歌劇団・ロミオとジュリエット乳母役にみる、それぞれの個性について考察。宝塚を楽しむ方法。


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私の大好きな演目。ロミオとジュリエット

宝塚歌劇団では、5回(星・雪・星・月・星)ほど上演されています。

その中でジュリエット乳母役は【愛の溢れた年配の女性】という独特、かつ、重要なお役であります。タカラジェンヌがオバサン役を演じるのですから。

劇中では乳母がジュリエットの初恋を応援するために、歌い上げるシーンがあります。

2500人の観客の前でたった一人舞台に立ち、ジュリエットへの愛情を表現するシーンでは各ジェンヌさんごとに個性があると感じています。

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歴代の乳母

この乳母役を演じてきたのは、

美穂圭子さん・白華れみさん・沙央くらまさん・美城れんさん・有沙瞳さん(現在)

です。

どの方も、個性的な役を演じる個性派ジェンヌさんです。

作品の魅力に厚みを持たせる重要なポジションにいる方たちです。

 

個人的、2トップ

歴代の乳母役の中でも、私が最も印象的で好きな乳母は、

さやかさんと美穂さん。

このお二人の愛の溢れる乳母の歌に何度涙したことでしょう。

美城れんさん

個人的には、さやかさんの乳母が最も印象に残っています。

乳母としてジュリエットを自立させてあげよう、

私が生んだ娘ではないけれど、自分の娘のように育ててきた娘の未来に、

幸せが訪れるよう、心から祈ろう。

あんなに小さかったお嬢様。可愛くて仕方のなかった私の可愛い娘。

少し寂しいけれど、私を置いて巣立って行くべきなの。

私にも、彼女の背中を押す勇気をください

 そんな気持ちが切々と伝わってきます。

私には娘はいませんが、母の気持ちになると涙が溢れてくるのです。

何度見ても、何度CDを聞いても感動してしまうのです。

 

さらに、さやかさんの台詞には深い愛が込められています。

私にありがとうなんて、言わないで。

さぁ(結婚式の)準備を…

本編の台詞より 

 このメッセージを伝えるさやかさんの表情には、母の愛が溢れいるのです。

優しくジュリエットの肩をそっと包み、ロミオの元へ送り出すのです。

さやかさんの乳母からは、ジュリエットへの無償の愛情が感じられました。

 

美穂圭子さん

一方、歌唱の女王・美穂圭子さんの歌には心が震えた記憶があります。

美穂さんが歌い上げた後、脱力感さえ感じたほどです。自分が美穂さんの声・歌に引き込まれていた証拠です。

美穂さんの乳母には強い意志を感じます。

 

自分は、ジュリエットの乳母は卒業するのだ

可愛いだけの幼い娘は母の元を去り、自分の道を歩み出すのだ

そのことを、生みの母に伝え、分からせてあげることが

乳母としての自分の使命なのだ 

自分は乳母として、最後まで責任を果たすのだ

 そういった強い意志を感じるのです。

ジュリエットへ接する様子にもそうった強い意志を感じます。

 

あなたはもう大人なのよ

私たちに育てられたのだから、自信をもって、自分の足で立って

ロミオの元へ行きなさい。

 ラストシーンでは、乳母としての悔しさが伝わってきました。

ジュリエットだけでなく、ロミオの命さえ奪ってしまった愚かな諍いに対し、

憤りを感じている、そんな強い思いが表現されていたのです。

 

美しい乳母

いずれの乳母も、心が美しいのです。

乳母は諍いの絶えないヴェローナの町に生き、ジュリエットを育てながら、

淡々と年齢を重ねてきててきたのです。

人生の酸いも甘いも経験してきた人間。

権力者たちの異常な権力への執着を肌身で感じ、

家族間の派閥争いを観ながら、

若者たちにはそうなってほしくない、特に、自分の娘には。

 

そういった【母性の美】を表現されてきた歴代乳母役のジェンヌさん達。

彼女たちの包み込むような愛情に、ファンたちは何度も心が洗われてきたのです。

 

宝塚の楽しみ方

 

台詞が言えるほど、私はこのロミオとジュリエットを見てきました。

100回や200回ではありません。運転中にも乳母の歌で何度も涙しました。

 

なんで同じ作品を何度も見るの?と聞かれることが多いです。

こうして何度も見ている様子を非宝塚ファンに話すとよく質問されます。

 

その理由は、

こうやって上演する組やジェンヌさんごとの個性の違いを見て、

あーだ、こーだ、と考察するのが楽しいのです。

推しジェンヌさんを追いかけるのももちろん幸せなのですが、広く多くの作品を見て、ひとつひとつ、深く考えている時間は、この上ない幸せな時間です。

こんな風にファンたちが勝手な妄想を繰り広げていることが、宝塚歌劇団が100年続いてきた理由のひとつなのかも知れません。

 

これからも、宝塚歌劇団の進化からは目が離せないです。