終った恋からの復活、できるだけ身軽になろうとした4カ月間
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4カ月前のこと。私は恋を失った。
恋人のいない生活はもうすぐ4カ月になる。
この4カ月で私はいろんなものを捨てた。目に見えるモノだけでなく役職も、おかしなポリシーも。
古い靴
先週のこと、生まれて初めてコールハーン銀座店で靴を買った。
銀座の専門店で靴を買うなんて考えたこともなかった。お店に入っても定員さんに相手にされないかも…と一抹の不安を感じたが、勇気を出して(?)店舗に入ってみたのだ。
意外にも、定員さんは笑顔で私に近づいて来てくれた。そして、私の希望を聞いてくれた。接客をしてもらえたのだ。
私は2パターン、3つのサイズを試着した。定員さんは私に丁寧な接客をしてくれた。もちろん、今にも買いそうな勢いを感じたから接客をしてくれたのだと分かってはいるが…
素直に嬉しい。
門前祓いを食らわなかったのだ。
私は新しい靴を買った。その靴は私の歩みを軽くさせた。靴の性能のおかげともいえるかも知れない。クッション性が良くて歩きやすいから。
だけど、それだけではない。
ずっと欲しかった靴、この靴を履いて仕事へ出かける自分の姿を想像していたのだ。その自分になれたのだ。その気持ちが私の歩みを進めた。
購入したままの勢いで新しい靴を履いて、古いスニーカーは箱にしまって銀座の街へ歩き出した。
その日、私はもっともっといろんな場所を見たい、この靴を履いて仕事をしたい、そう強く思えるようになったのだ。
帰宅してからシューズボックスを開けると、たくさんの靴が並んでいた。最後に新しい靴を買ったのは5年前だったことに気づいた。
並んでいる靴たちのヒールは10㎝、この靴たちを履いていると足の小指は真っ赤になる。
この靴の中で、私は窮屈さを感じていたのだ。
だから、全部捨てた。ヒールの靴も履きつぶれて傷だらけになったローヒールの靴も、重たいだけのブランドのスニーカーも全部。止まっていた時が動き出す、新しいものを受け入れて歩き出す準備が整ったような気がした。
管理職という立場
私は11月1日付で管理職ではなくなった。勤務先も異動になった。自分から申し出たのだ。
管理職で同じ職場に居続ける以上、私はずっとストレスを身に纏ったまま生活を続けることになると感じたから。管理職であることは、私の仕事の目的や目標ではないと気づいたからだ。
役職が無くても今の仕事はできるはずだ、そう思えるようになった。
だから私は管理職を外れて、勤務先の異動を申し出たのだ。申し出はすんなりと受け入れられた。
管理職であることに対してさほど重荷を感じていたつもりはなかったけれど、いざ離れてみると、心はずいぶんと軽くなった。
その証拠に今日、私はブログをまた書いている。心の余裕ができたようだ。
管理職だったころの私は、職場での雑談でさえ参加できなかった。ひたすら目の前の仕事を黙々と片付ける日々が3年は続いていたと思う。
まぁ、それはそれは嫌な管理職だったと思う。本当に。申し訳ない気持ちが大きいが、いつまでもそんな謝ってばかりでは何も生み出さない。
仕事をして、誰かの役に立つ。丁寧に仕事をしていくことこそ、自分と仲間への感謝と謝罪になると信じている。だから私はもう一度、一番経験値の低い社員として新しい職場へ勤務し始めた。
良い人でいたい気持ち
どうも私の周りには心が弱った男性が集まってくるらしい。
それともなければ、周りにいる男性の心が弱ってしまうのか、隠している弱みを見せてくるだけのかも知れない。
要は不倫の要請である。既婚者が寄ってくる。既婚者がある日突然、プライベートでの連絡を頻繁に寄こすようになるのである。
これまでの私は嫌われることが怖かった。仕事の繋がりがある相手であれば、仕事を失うことが怖かった。だから、そんな弱った男性たちの望む言葉を返してきたのだ。
それが徐々に自分の気持ちを歪ませてしまうことに気づいた。
既婚者男性たちの目的は全く理解できないが、おそらく想像するに「大丈夫だよ」と自分を肯定し励ましてほしいだけなのだ。
自信を失っていたり、何か漠然とした憤りを感じているだけだ。
これは本当に厄介で、長引けば長引くほど拗れやすくなる。その先に何もない。
深い意味は無くても相手が望むような言葉はかけない。相手が望むような行動はとらない。
もしかしたら仕事も失うかも知れないけれど、もう二度と既婚者のプライベートには近づかない。
抱えたままでは気づかなかったこと
住む場所も勤務する会社も同じなのに、なんだか生まれ変わったような感覚になった。管理職ではなくなり、心に余裕ができた。おかげで新しい変化にも対応できそうな気がしている。
思っていたよりもたくさんのものを抱えてしまっていたみたい。
職場が変わるだけでこんなにも生活が変わるのか?と思うほど。生活の中の小さな変化にも気づくようになった。
季節の果物が美味しいとか、今日は晴れていて暖かくなりそう、とか。
そして、これから私はどんなふうに変化していくのかと楽しみに思えるようになってきた。