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【彼女は頭が悪いから】を読み終えて。自分を守るって何だろう?


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姫野カオルコ著、【彼女は頭が悪いから】を拝読しました。

睡眠不足になりかけるほど、「女性として生きる」「学歴とは何か?」を考えながら読み終えた作品でした。

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感想

率直に申し上げて、「モヤモヤする」。

女性として、一般的な(東大卒ではない)学歴の持ち主として。

今まで読んだ小説のように「事件解決ミステリー」とか「女性あるあるのエッセイ」とか、そういった類のお話ではありません。

日本社会に根付いた日本人の暗黙の習慣、考え方に対すて問題提起された作品です。

ある実際に起こった事件をもとにフィクションでストーリーが描かれています。

ハッキリとした結論が出せる作品ではありません。

「世の中にはこんな事実があるんだよ、だからあなたもあなたなりに考えてみて」と読者に投げかけることを目的としたストーリーなのです。このようなタイプの小説を読んだことがありませんでしたので、衝撃を受けました。

 

また、現実に起きた事件をもとに「フィクション」で描かれている点についても驚きました。登場人物がそれぞれ事件発生までに抱えていた想い、家庭の環境、各々の自尊心が描かれていますが、それはフィクションなのです。

 

美咲と私

ストーリーに登場する美咲という女性について、私個人的には「?」が頭に浮かんでばかり。同じ女性として何かが…足りない気がするのです。

その何かとは「自分を守る気持ち」だったと思います。

本ストーリーに登場する【美咲】という人物は決して特別な存在ではない前提で描かれています。しかし、私にとっては「とても特別な存在」だと感じます。

美咲は幼少期から家業を手伝い、弟や妹の世話をし、朝起きたらトイレの掃除をする習慣があり、大学生になっても家族と一緒にスーパー銭湯に出かけることのできる女性なのです。

正直、私にはできなかった。そして、これからもできないと思うのです。私の価値観は(体よく言えば)「自分を守ることを優先する」ことだから。

家族のためよりも自分のため。友人との約束はできるだけ少なくしたい、そんな想いが私にはあるのです。

自分の人生の時間、自分の仕事、自分のプライオリティを守るために、誰かと一緒に過ごす時間は極力少なくしたいと思うのが私。

一方で、本書に登場する美咲は家族のため、友達のため、好きな人のため…といつも自分よりも他者を優先しているように感じたのです。その結果、事件は起こってしまうのです。

 

女を下げてでも絶縁する瞬間

 

私は美咲が「自分を守るんだ」という思いをもっともっと心から持っていて欲しかった。高校生でも大学生でも「自分を守れるのは自分だけ」だと。その思いに年齢は関係ないのです。

人生には自分の評価が下がる(周囲に嫌われる)と承知の上で、人と縁を切らなくてはならない瞬間が何度か訪れるのです。

会うたびに自分の思う通りにコントロールしようとする恋人や、「可愛いね」なんて言葉をかけてくる妻帯者や、人を見下すような発言を当たり前のように吐く人が世の中にはいます。

こんな人たちと関わっていたら自分にとってマイナスでしかありません。躊躇わずに「縁を切ろう」と決意するのです。

自分にとってマイナス要素しかないと思った人も見かけは「普通の人」。しかも場合によっては周囲からは「ちょっといいひと」として評価されていることが多いのです。

だからこそ「縁を切るなんてドライな人だと思われるのは嫌、誰とでも仲良くなれる自分でいたい」と思う自分がいたりするのです。

果たしてそれで自分を守れるでしょうか?

私はそうは思わない。たとえ素晴らしい肩書を持っていたとしても、仕事ができて多くの人に評価を得ている人でも、私との相性が良くないなら(まして私をコントロールしたり、罵声を浴びせるような人であれば)自分に対する周囲の評価が下がってでも、縁を切る瞬間を作った方が良いと思うのです。

 

自分の価値や自分の仕事や自分の心を守れるのは、「自分だけ」だから。

 

最後に

本書でストーリーの軸となる【実際の事件】については立場によって様々な意見があると思います。事件そのものについて私個人的な感想はありません。

ただ、著者である姫野さんが「問題提起する小説」として書かれたと感じたので、私は私なりに考えてみた、というだけの話です。「大勢の人と関わる社会に身を置く人間」として自分はどう振舞って、何を大切にすべきなのか、を改めて感じた作品でした。

 

今はあまりはっきりした答えは出ませんが、これからの人生の中でふとした時に考えさせられるだろうと感じています。