【Think clearly】心地よく生きるための思考のヒントが詰まっている。
スポンサーリンク
【Think clearly】を拝読しました。20万部のベストセラーだそうです。
著者はロルフ・ドベリ氏。
帯には【令和元年、最も売れたビジネス書!】との記載があります。
この文言だけ見ると、なんだかとても暑苦しい…
ビジネス書に書いてあることと言えば…
タスクは整理しなさい、仕事に熱意を持ちなさい、やる気を出す方法!…など説教じみた文章がずらりと書かれているのだ、と思っておりました。
しかし、本書【Think clearly】は、私の「ビジネス書アレルギー」を打ち砕く書籍でした。
では、オススメポイントをご紹介いたします。
自分の能力の輪を自覚して目を向けよう
能力の輪とは…?自分の向き不向きの境目のこと、とのことです。その境界線をはっきりさせることでストレスから回避できるようになると著者は述べています。
例えば、私の場合。
普段は薬局に勤務して、調剤するのがメインの仕事です。しかし、1日中薬局の中に籠って、根詰めて仕事をするのはかなりストレスを感じます。
外の空気を吸いたいなぁ…を体が屋外の空気を欲するのです。
その欲求を満たすべく、私は個人のお宅へ伺ってお話をする(個人在宅)のお仕事を請け負うようになりました。
そうすれば、薬局外に出ることができますし、患者さんのお宅へ伺うことにより、患者さんもリラックスしてお話をして下さる機会になります。
- 私の不得手は、一日中薬局に籠って投薬カウンターに立つこと。
- 私の得意は、患者さんのお宅でお茶を頂きながら雑談とお薬の話をすること。
こんな風に能力の輪をハッキリさせてキャリアップした方が、自分へのストレスが少ないと言うのです。
先日、私はまさにキャリアップになるかどうかの岐路に立たされました。
所謂、ヘッドハンティングの申し出を受けたのです。
仲間の薬剤師から「うちで働いてくれないか?」と。
正直言って嬉しかったです。私の仕事ぶりを評価された気持ちに慣れました。
魅力的はオファーではありました。
しかし、同時に私の頭の中には「私の得意分野を活かせるだろうか?」という考えが浮かんだのです。
給料や勤務形態に左右されることなく、「自分の能力の輪」を軸に転職するか否か、を考えました。
答えはNoです。自信をもって、誠実にNoと言えたのです。
もし、本書を読んでいなかったら、こんなにもハッキリと自分の能力と職場環境について考えることはなかったでしょう。
性急に意見を述べるのはやめよう
この章の言葉には正直ドキッとさせられました。
私にも思い当たることが多くあります。例えば、会議の場。
様々な意見が飛び交う会議では「早く答えを言いなさい」という雰囲気に負けて、自分の意見とは全く違う意見を発してしまった経験は多々あります。
本書では、こいうった反応は人間の脳が起こす自然な反応だと述べられています。
質問の内容が単純であっても複雑であっても、答えられる質問であっても、答えられない質問であっても、脳は答えを紙ふぶきのようにまき散らす、と。
特に、「複雑すぎる質問用」のバケツを用意する、という記述にはハッとさせられました。
私にとっての「難しすぎる質問」は、
薬剤師個人の資質、技能の向上のためにできることは何か?
です。
うーん。ハッキリ言って、答えは…ない。分からない。即答するには複雑すぎる。
この質問は、1年前のある会議で議題に上がったのです。
私に答えを振られ、とっさになにか答えたような記憶がありますが、
何を答えたのか…今も覚えていません。
覚えているのは、「自分の意志のない意見を述べてしまった後悔」だけが残ったことです。
明確な根拠のない解答をすることほど、意味の無いことはありません。
あのやりとりには何の生産性もなかったと言えるでしょう。
私は、1年前のあの会議で「わかりません」と答えるべきだったのです。
そうすれば、自分の後悔やストレスがもっと少なかったのかも知れません。
内なる成功を目指そう
【内なる成功とは心の平穏である】と本書は述べられています。その内なる成功を手に入れるためには、外の世界でなく自分の内側に意識を集中させることが必要だと。
確かに、納得です。
誰かが賞を取った、昇進した、世の中の35歳の平均収入意識してしまう。
そんな外の世界の情報に惑わされず、自分のやりたいことや自分の目標に向かって歩んでいくことこそ、成功だと思うのです。
この章に関しては、非常に共感しました。
20代後半のころのことを思い出します。結婚について真剣に考えていた時期です。
周囲の友人は結婚を決め、豪華な結婚式をして、ヨーロッパやアメリカへ海外旅行へ行っている、その横には必ず優しく微笑むご主人がいて、これから子育てをするのかも知れない。
私もそうなるのかなぁ…と思う一方で、どうしてもその姿が描けなかったのです。
毎日、誰かが家の中にいて一緒に暮らす生活が見えてこないし、なんだか楽しそうだと思えないのです。
家ではひとりで過ごし、24時間365日、すべて自分のスケジュールで生きていくことこそ自分の心が穏やかで居られると感じていました。
私は、考え、悩み、「結婚できない自分」を何とか払拭しようと趣味に奔走した時期もありました。
自分探しの旅にもでました…笑。
かなり足掻いた感じは否めませんが、あのころの私なりに「自分の心の平穏」について考えた結果、独身で生きております。
今後も独身。
そう言えるのは「自分の心の平穏」がどのような状況なのか、を十分に考えたからだと思っております。
この思考回路はあながち間違っていなかった、ということを本書に教えていただきました。
最後に
本書は、人生における様々なシーンに必要な「思考の道具箱」というテーマで書かれています。ハッと気づくこと、確かにそうだなと納得すること、様々な思考の道具が詰まった書籍でした。
今後も再読する価値のある書籍だと感じました。
お金より、コネより、「思考の道具箱」をもって歩んでいこう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。